□ MACABRE □ |
all lyric by 京 all arranged by Dir en grey |
2ndアルバム。こう言っちゃぁ何だが、GAUZEの頃とは別人のように成長している。 成長しているのであって、決して変わってしまった訳では無い。 根底を流れるものは何一つ変わっていないのに聴こえ方がまるで違う。 初回盤にはケースの背中の部分に何やら球体が封入。あれは謎だ。 因みに74分収録出来るCDに73:03ぶち込んだ心意気は素晴らしいと思うよ。 色んな意味で隙間を感じさせないアルバム。 |
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□ 01.Deity □ |
music by Dir en grey |
女神という名のインスト・・と見せかけた実はボーカル入り。 いかにも“序章”で良い感じ。イントロからひしゃげたギターが入る広がり部分は絶品。 所々呻きのような京ボイスが入ってタイトル“MACABRE”を象徴しているように思える。 中途半端じゃない毒々しさと禍々しさが素敵。 歌メロは最後までなかなか決まらなくて、途方に暮れていたときに偶然決まった。 誰かの携帯に入っていた着メロを鳴らしたら、それがたまたまハマったんだとか。 これえぇんちゃう?とは京の言葉。因みにその着メロとはブラームスのハンガリアン舞曲第五番である(バイオリンで有名) 解読不能なあの詩はロシア語と見せかけたハンガリー語(ロシア語辞典でも訳せる) 訳詩は京詩集に掲載されているのでチェックするのもよし。 音源で聴くよりもライヴ映えする曲である。 |
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□ 02.脈 □ |
music by Dir en grey |
シングルバージョンよりも短くなってしまった。長い方が好きかも。 詩の半分くらいは途中で入る台詞となっている。 ヘッドフォンで聴くと素敵にトランス出来て好きだ。 Aメロに被ってシャウトが入るのもまた良いではないか。 因みにシャウト部分は詩の漢字を全て英語にしてシャウトしている。 |
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□ 03.理由 □ |
music by Die |
“わけ”と読む、らしい。 メロディアスなミディアムナンバー。脈と注射器(下記)に挟まれて聴くと更に良い。 曲順が憎いアルバムだなぁ。 オーソドックスなアレンジ、ソロらしいソロ、最後に向けての盛り上がりなどは素晴らしいよ。 低めのキーで淡々と歌っているが、上手くなったと思う。GAUZEの頃だとこんな歌は聴かせられなかったと思う。 上手くなったし、さらりと歌いつつ情感こもってるし、何よりも切なさと優しさがたまらない。 詩を思うと切ないし、痛いんだけど、どこか優しい感じ。包み込むような歌い方。 曲調と相俟って聴いていると悲しくなる。切ない。 最後の台詞状の詩がたまらなく好きだ。 |
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□ 04.egnyris cimredopyh □ +) an injection |
music by Toshiya |
曲名表記はこれで勘弁してください。 上段を逆から読んで“hypodermic sirynge”、下段はそのまま“an injection” 両方を足す。つまり「液と注射器を足す、みたいな」(京くん談)レコ倫に対抗する策である。 で、詩はかなりイッチャッテル。数々の伏字があるが、全て取っ払ってしまうとイキきってる。 たまらない世界観だね、この毒が好きなのさ。 曲調だけ聴くと明るめだがそうでもない。ギターは歪みまくりだし、ドラムは破壊的だし。 京くんのDJ真っ青なラップも良い。 |
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□ 05.Hydra □ |
music by 薫 |
神話に出てくる化け物とはあまり関係ない気がする<タイトル。 全編英語詩、というか全編シャウト。アルバムの中では羅刹国に引けをとらない暴れナンバーである。 シド・ビシャスなど出てくるが、単純にサスピシャスとの韻を踏んでいるだけのような。 詩は日本語に訳してもあまり意味が見えてこない。英語のまま漠然と楽しもう。 ピコピコした電子音や、声だか音だか分からない変なサウンドも織り込まれていて面白い。 が、やはりこういう曲はライヴの方が映えると思う。 |
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□ 06.蛍火 □ |
music by Shinya |
マカブラの中で一番好きvという人が多いような気がするが、自分はそうでもない。いや好きだけど。 ミディアムバラード?ストリングスの音色が多用されているのが特徴。 詩の内容も考えると和風にしたかったのだろうが、何故だか中華風に聴こえてしまう。リフのせいか? 分かりやすい詩だし、一般的なリスナーにも受けるんじゃなかろうか。 母子ソングでもある。ディルはこういうモチーフが好きなのかな。近親相姦ネタは多いと思うけど。 “理由”と同じく、低音で淡々と続くメロ。サビでいきなり高くなる京くんの声が聴き所。 珍しくバックに女性コーラスを入れているのも特徴かな。 「蛍火と・・百合の・・は・・な」がかなりお気に入り。 詩の中に「神風」が出てくるのはちょっと個人的には微妙だった。 |
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□ 07.【KR】cube □ |
music by Dir en grey |
シングルバージョンとは微妙に異なる。「ママー飴玉おっこっちゃったー」がカットされてしまった。 好きだったのになぁ。 和風ソングが二曲続く。KRのが和風っぽいと思うのだが(馨さんの中で蛍火はあくまでも中華です) イントロカット以外はシングルと大差無いかな。たぶん。 蛍火の後に入るとメリハリが効いていて良い。 |
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□ 08.Berry □ |
music by 薫 |
イントロを聴き取ってみる(暇人) 「I'm sorry, I wannan't mean it. I'll be good... I'm gonna kill you. I'm gonna bollow off your head like rapsberry jam...」 文法的なミスの指摘は受け付けません。大体の意味はこんな感じかと怖いなぁ。 現時点でのディルアングレイ最速チューンを記録。250くらいらしい。 アホやなぁとメンバーも笑っていた。それくらい速い。 途中に入っている安っぽいアメリカホームドラマ風の小芝居がいいね。犬の鳴き声とか。 パパ、ママ、とシャウトする京くんが素敵。可愛いじゃないの。 詩に間違った英語が混ざってるのが何とも言えず良いと思う。狂った感じ。 |
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□ 09.MACABRE-蛹ノ夢ハ揚羽ノ羽- □ |
music by 薫 |
タイトル表記は少し凝っているが、漢文のように読めば上記のようになるはず。“蛹の夢は揚羽の羽” これぞMACABRE!不気味ナンバーワン。 スローテンポでのっぺりした雰囲気を醸し出してはいるものの、そこここに散りばめられたグロさは天下一品。 八分半ほどあるが飽きない。よく聴くと間奏にもボーカルにも小ネタ盛り沢山で凄く面白い。 ハモリも面白い。ファルセット初公開である、素敵。 詩の不気味さを増長するかのように京くんの声とも呼べないSEが入っている。 啜るというか食うというか、そんな感じの不気味な声。 とにかく不気味さでは類を見ないグロい仕上がり。かなり好きだ。 さすが表題曲という感じ。 |
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□ 10.audrey □ |
music by Die |
イントロに少しびっくりした。今までに無い感じのギターとリズム。 ンチャッンチャッっていう・・・裏リズムが強調されていてとってもノリが良い。 リズムに紛れて見えにくいがメロが相当綺麗で良いと思う。こういうマイナー調は大好き。 初聴きの段階からめちゃお気に入り。 いい意味で軽い、安っぽい。でも粋である。 詩もかなり好きだ。たぶんタイトルのオードリーはあまり深い意味はないんだろうな。 比較的短いが聴き応えは充分。 |
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□ 11.羅刹国 □ |
music by Dir en grey |
漢字がいっぱいでめまいを起こしそうである。でも実はふつーの日本語。くそぅ京くんめ。 イキきった暴れナンバーである。シャウトしまくり叫びまくり。ライヴで盛り上がれること必至。 サビの「礼・性・乖離 邪鬼!」のコーラスなどはとても面白い。 これだけ漢字を多用しているのに「1,2,3,4」というカウントが入っているのが何とも憎いな。 呟きやらシャウトやら、色んな声が一曲で楽しめる素敵な曲。 |
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□ 12.ザクロ □ |
music by 薫 |
羅刹の後にザクロを持ってくるとは・・・というのは、あまりに流れが良くて小憎たらしいからだが。 イントロのギターは二人の絡み具合は絶品。そこに入るドラムもまた。 全体の構成が素晴らしく美しい。 薫ンのギターソロもいかにも“らしい”し、ドラムの手数が多いのに煩くないのも良い。 そしてたぶんアルバムの中で一番表情豊かな声だろう。イントロから広がる瞬間のファルセットなんて鳥肌もの。 女言葉の詩も珍しくなくなってきたけれど、やはり男言葉よりも痛さ倍増だと思う。 だからだろうか、声も若干(でもない)泣きの要素が濃い。オクターブハモリも最高。 「愛してる」「灰になる」は耳に残ってなかなか離れちゃくれない。 京くんが好きだとひしひしと感じさせられる曲。 痛くて切ない、けどこれぞディルである。 |
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□ 13.太陽の碧 □ |
music by 薫 |
シングルとあまり変わっていないようだけれど、何故か時間が少し伸びている。 違いが分からない(駄目) まさか最後に持ってくるとは思わなかったので少しびっくりした。爽やか系と称されるこの曲でマカブラが幕を閉じる、どうなんだ。 どちらかといえば“次”への繋がり的要素が濃いような気がする。気のせい? 繋がるのか、打ち止めなのかは聴く人によって意見が分かれるところ。 別に浮いちゃいないがアウトロのFOはアルバムの最後っぽくて好き。 |
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2005.05 文責:管理人 | BACK |