Withering to death.

all lyric by 京 all music and arranged by Dir en grey
枯れて死ぬ、死に向かって枯れてゆくアルバム。←直訳。
朔その後、製作中です製作中ですと言いながら発売されたのは約半年後。さすが妥協を許さないディルアングレイ。
ジャケットの茶色に紫(通常版は黒に赤)が最高にクール。まさにタイトルを象徴するかのようなアートワーク。
ありがちなダークサイドと思うなかれ、前作とは比べるのも申し訳ないほどの突き抜けっぷりは最高。
流れがいい、全ての曲が立ってていい、サウンドの美しさが絶品。名盤決定アルバム。
広がりを見せながら決して密度の失われない世界観は最高。


□ 01.Merciless Cult □

原曲 薫
きたきたきたー!!!って感じ。この曲があるから、このアルバム全体が締まってる。
この曲があるから、このアルバム全体の世界観が確立されてる。そんな、薫渾身の一曲。
鬼気迫る緊迫感、否が応でもアルバムの世界に引きずり込まれる。
メロのメリハリもいい。Bメロのシャウトからサビの絶叫への広がりは絶品。絶品。超男前!
ラストサビ前のタメとかサビの「GASP!」とか全てが強く激しく。
因みに出来上がったのは一番最後。「他の曲が一曲目は許せない!(@薫)」を名言として記しておこう。


□ 02.C □

01からの繋がりが素晴らしい。ここの繋がりは神でいい、むしろ神。和音からがCなんだね。
アップテンポの激しいサウンドに乗るポップなメロディが耳にこびりついて離れない。
「実際〜」という部分の美しいメロディに心鷲掴み。京さんのメロディっていつ聴いてもホント男前。
ライヴ感、グルーヴ感、ドライヴ感、ひっくるめて最高。最高ったら最高。
至高の名曲決定。
サウンド全体が鋭い棘となって身体の中心に直接突き刺さってくる感じ。たまらん。


□ 03.朔-saku- □

恐らくシングルと変わりはなし。この、一曲目〜朔までの流れは絶品!ランダム再生とかしたくない。
タイトルの「Wither」という単語が非常に深い意味を持つことが、曲を聴いていると分かる。
やっぱり繋がってるんだ、ディルアングレイって凄い。(感想になってない)
ハードなサウンドと美しいメロディに酔いしれる名曲。


□ 04.孤独に死す、故に孤独。 □

聴き所が満載すぎてどこに耳を持っていけばいいのか分からない、それくらい満載な一曲。
何といってもボーカルが凄い。静かな序盤から一気に開け、上り詰めてゆく。ゾクゾクする。
サビ?はどこを歌っているのか分からないほど声の重なりを見せているのに、鬱陶しくないのはさすが。
声だけじゃなく、サウンドからも負の感情が迸ってる。たまらん。
結構前に録ったらしく、更に言えばちょっと変な曲なんだけど(失礼)しっかりアルバムの世界観にハマっている。


□ 05.愛しさは腐敗につき □

バラードだが、激しさは失われていない。美しく、哀しく、痛いまでに切ない。もう大好き。
ベースラインがとても印象的だと思う。
繊細なギターアレンジがメロディを邪魔することなく引き立てて、もうこのメロディが、メロディがたまらなく切ない。
言葉にならない感情の渦が押し寄せてくる。じわじわと染み込んでくる。
淡々と歌い上げる京ボーカルの悲哀もたまらなく切ない。
終わり方も凄く好き。静かに、呟くように途切れてくのがたまんない。


□ 06.Jesus Christ R'n R □

変な曲だなおい、というのが第一印象(失礼)
だってイントロおかしいよ、いきなり広がってロックンロールだよ、おかしいよ!
ディルアングレイ流ロックンロールの極致。変な曲だけど。(まだ言う)
意外と単音フレーズが多いギターや、ファルセットを織り交ぜたボーカルや、表か裏か分かんないリズムや、、、
やっぱ全部変。でもすっげーかっこいい、何でだよ。
軽快というか軽妙なノリは05でずーんと沈んだテンションを一気に引っ張り上げる効果あり。


□ 07.GARBAGE □

06が唐突に終わり、そして唐突に始まるこの曲。のっけからのシャウトが最高!
ガシャガシャ低音で響くギターリフが最強、いや最凶。左右のチャンネルの掛け合いが心地良すぎるツインギターだ。
Aメロに入った途端3拍子になってびっくり。テンポが落ちていないにも関わらずノリが悪くなる事がない。
こういう変則をナチュラルに挟んでしまうのがたまらない。
サビでは一転高音メロディ。ここの切れ味が最高!ボーカル最高!あーやっぱり京さん男前。
タイトルを象徴する最後のサビの盛り上がりは何度聴いても飽きない、飽きが来ない曲。名曲ってことだ。


□ 08.Machavellism □

シングルでリリースされたポップチューンを07と繋げるセンスに脱帽。
特にシングルとの違いは感じられない?
疾走感というかやはりすべての楽器を曲の為に奏でている感じが素敵。
全パートがこの曲のためにある、みたいな。ボーカルもしかり。


□ 09.dead tree □

シーケンスから入り、アルペジオで心を掴まれる。ドラムのインがあまりに自然で、渋い。
今まで無かったタイプの新しい曲。
ギターとボーカルの絡みがたまらんのです。ツインギターが両サイドで鳴り、そこにボーカルが幾重にも重なるのがたまらんのです。
シャウトだとかサウンドの広がりだとか、隙間だらけに見せかけて隙なんて無いアレンジだとか、全てがたまらんのです。
サビは変則だが、それさえも渋い。いいじゃないのかっこいいじゃないの!
サビの歌詞がストレートに突き刺さってくる。アルバムタイトルを象徴している曲の空気と、詩。
最後が唐突に落ちるのもいい。ファルセットから突然落ちるのがいい。


□ 10.THE FINAL □

今更何も書くことは無い、名曲中の名曲。超エモーショナル。
ブレイクから広がってく最後のサビは何度聴いても鳥肌もの。
09の絶望さえ感じさせるサウンドの後にこの曲を持ってくるなんて何てハイセンス。
このアルバムは曲順も名盤決定である。


□ 11.Beautiful Dirt □

最近のディルアングレイは正反対の語句を合わせたタイトルがブームなのか?
まぁそれはさておき。こういうの好きだし。
アルバム随一のハードコアナンバー。終始シャウト、デスシャウト。
それに伴ってサウンドも音の重心が低い低い!更に歪み、うねり、渦巻く音像には舌を巻く。
余計なものを全て削ぎ落とし、核心のみで勝負している。何て圧巻。
TIMEも02:33とシンプルソリッド極まれり。しかし短さや物足りなさなど微塵も感じさせない。
めくるめくボーカルとサウンドのスピード感に酔いしれること必至。
アクセントの付け方がかっこよすぎて涙出そう。


□ 12.Spilled Milk □

初聴き段階からかなりお気に入りな一曲である。頭振りたくなるよ。
圧倒的な破壊力を持って迫ってくる曲、しかもリズムが変。変なのに暴れたくて暴れたくてしょうがない。
もうなんなのディルアングレイ、凄すぎだから。
音をめっちゃ詰め込んでるので暑苦しいかと思いきや、とてもクリアーで美しい構成。
そこに京のメロディが乗るんだからたまらないよ。サビのメロディなんて京さんにしか作れないよ。
歌詞もかなりお気に入りだったりする。俺はもう一度恋をする!


□ 13.悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 □

タイトル覚えるのにちょっと時間かかったりして。鬱っていう漢字をソラで書ける人は挙手。
12までのハードコアナンバーからは一転して切なさ満載のバラード。
ドラムのタムとかシンバルとか、Dieさんのアコギとか、薫さんのアルペジオとか、静かに響いてるベースとか、
何ていうか全てがいい。その上に乗る京さんの優しく切ないボーカル・・・惚れる。
果てしなく暗い海の底へ沈んでゆくような、絶望しかない曲なのに、何故か優しい。包み込まれるみたいな。
歌詞はレクイエムだが、詩よりも声が。静かに歌っている声から響いてくる感情が・・・!
最後のサビとかどうしてくれよう。バックのコーラスといい、サウンドの切なさといい、声の哀しさといい痛みといい、どうしてくれよう。
泣きたくなるほど好きだ。


□ 14.鼓動 □

ラストナンバーなのにどこか始まりを思わせるサウンドで幕を開ける。シーケンスからドラムのイン、の流れが最高に好き。
メロディアスでキャッチーなのだが、軽々しさなど微塵も無く。むしろこれぞヘヴィ。
重厚かつ骨太なサウンドに、一度聞いたら忘れられないメロディが情感たっぷりに迸る。あーたまらん。
絶望を通り越して希望の光を見出すのではなく、絶望を通り越した先にシニカルな笑みがある。
そういう詩、だと思う。だって「おはよう」とか。決して前向きではないのだけれど、明るいおはよう。
とにかく吐き出される感情といい、サウンドの重なりといい、全てが最高の一曲。もう名曲だから。
この曲こそ、このアルバムのラストを飾るに相応しい一曲だから。
ラストのサビに入る直前のサウンドのうねりは何度聴いても飽きないってかここだけ何度も聴きたいくらい。
最後に再びシーケンスが入ってくるのも憎い。あーもうたまんない、大好きだディルアングレイ。
実はこの曲のギターソロが結構お気に入りだったりする。薫さんペダル踏みまくり。


2006.02 文責:管理人 BACK